隊員OBが教える!JICA海外協力隊 駒ヶ根訓練所 情報まとめ
青年海外協力隊(JICA海外協力隊)の2018年1次隊派遣前訓練(派遣前研修)として駒ヶ根訓練所に参加した。ミクロネシア連邦派遣、職種は観光、訓練期間は2018年4月5日~6月13日。
この記事では、調べてもわかりにくい青年海外協力隊の訓練所生活について実益のある情報を網羅した。任地に赴任してから思うのは、訓練所が青年海外協力隊のピークだったんじゃないかと。充実した訓練所生活を送れるよう、参考になる記事を目指した。
当記事で紹介している情報はすでに3年が経っている。青年海外協力隊(現在はJICA海外協力隊)の仕組みなども変わっており、新隊員は最新情報を各自で確認してほしい(※2021年4月追記)
- 隊員OBが教える!JICA海外協力隊 駒ヶ根訓練所 情報まとめ
- JICA駒ヶ根青年海外協力隊訓練訓練所バーチャルツアー
- 青年海外協力隊訓練所「駒ヶ根訓練所」とは
- 青年海外協力隊の派遣前訓練とは?
- JICA海外協力隊 訓練所生活についてのTIPS
- 駒ヶ根訓練所の食事
- 訓練所周辺の買い物、コンビニ、外出、外食、レストラン、飲み会、遊び
- 訓練所からのタクシー
- 語学について
- 駒ヶ根訓練所で必要な持ち物
- 駒ヶ根訓練所の設備、様子、自室、施設、部屋などの写真
- 恋愛(駒ヶ根マジック、二本松イリュージョン)
- 派遣中止
- 運転免許証更新
- 青年海外協力隊の派遣時の荷物
- 青年海外協力隊の受験、面接対策について
- 駒ヶ根訓練所での生活詳細(日記)
- 自主講座(旅テクニック)
JICA駒ヶ根青年海外協力隊訓練訓練所バーチャルツアー
JICA 青年海外協力隊事務局が公式にYouTubeにアップしている、駒ヶ根訓練所の内部の様子を紹介した動画。自分の英語教師であった、ブライアンも出演している!
青年海外協力隊訓練所「駒ヶ根訓練所」とは
青年海外協力隊は、1965年に当時の海外技術協力事業団(OTCA)の一事業として発足し、1974年、国際協力事業団(JICA)が発足した後も重要な事業の一つとして引き継がれ、今日に至っています。
駒ヶ根青年海外協力隊訓練所は1979年に開設され、当初、開発途上国での協力活動に取り組もうとする協力隊員の派遣前訓練を100名規模で実施していました。2007年からはシニア海外ボランティアも一緒に訓練を行うようになり、その規模は多いときで230名以上に及びます。
また、長野県におけるJICA事業の総合窓口として、JICAボランティアの派遣前訓練のみならず、教育現場における国際理解教育、長野県内の各団体との連携行事の開催、講演会への講師派遣(JICA国際協力出前講座)、帰国ボランティア報告会、訓練所施設訪問の受け入れなど、市民の方々に広く国際協力を理解してもらうため、さまざまな事業を展開しています。
このような訓練施設は日本国内には駒ケ根市の他に、福島県二本松市の二本松訓練所があります。
青年海外協力隊の派遣前訓練とは?
JICA海外協力隊として安全に、有意義に生活や活動ができるよう、協力隊員として必要な姿勢や態度、言語や異文化理解など必要最低限の知識や能力・適性を養うこと、また、予防接種や渡航手続きを行うことを目的として、約70日間の合宿制で実施しています。
JICA海外協力隊 訓練所生活についてのTIPS
訓練所生活を充実させるためのTIPSを箇条書きで紹介する。
訓練所内の服装、語学授業の服装
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1次隊は4~6月。朝夜は冷えるが、昼間は太陽が出て晴天になると、半袖でも過ごせることもあるが、4月入所最初には雪が降った。ただ、山間なので基本は曇っていて、寒い。東京と比べると、1,2ヶ月前の気候。4月下旬から5月初旬にかけて、徐々に暖かくなるが、日によっては30度近かったり、かなり寒かったり寒暖差がある。5月の半ばくらいからだんだん暖かくなってきた。入所当初とは服装も変わって、少しずつ春っぽくなった。5月末くらいからは半袖で過ごす。6月に入るともう汗ばむくらい。隊次によってかなり気候はバラツキがある。
- 講堂で行う全員授業では、授業中の態度がチェックされている。ほとんどの訓練生は知らないが、名簿でチェックがされている。寝ていたり、携帯をいじっていたり、他の勉強をしていたり。あまりひどいと、呼び出されて怒られる。最悪、派遣の可否にも影響がある。
- 語学用の服装は「失礼のない格好で」と書かれているが、実際はゆるい。最低でも襟がついていて、靴をはいていれば問題なしという感じ。最終的には俺はアロハシャツで受けていた。女性はもっとゆるくて、大抵の服装が許されている様子。
派遣前訓練の授業、語学授業、テスト
- 2018年1次隊は火曜日の午後2コマが予防接種。人によって、予防接種のスケジュールや本数が違うのだが、少ない人はかなり時間がある。そうでなくても、火曜日は自習時間が多いことが多い。なので俺は火曜日にワークショップ資料を作ったり、エッセイを書いたり、作業が多い宿題を行っていた。
- 入所直後の集合写真が後日、500円で販売されるがみんな見本を写真に撮っている人が多かった。JOCAのグッズと合わせて、買っている人はあまりいなかった。俺は買った人に借りて、スキャナーでデータ化した。
- 任国リーダーはやった方がいい。俺はやった。特に作業的にやることはほぼないので楽。最大の利点は皇太子殿下とのご接見のときに必ずお話すことができる。(※二本松訓練所は資料のまとめなど、少し作業があるらしい)
- 訓練所で自由参加となる「地球のステージ」の公演の内容は、賛否両論すぎてなんともいえない。個人的には面白くなかったが、感動して泣いている人もいた。国際協力や児童虐待、貧困などに興味があり、なおかつ途上国経験が少ない人は参加するといいかもしれない。
- JICAが制作したクロスロードの上映会が訓練所である。映画としてはそこまで面白くないので、別に見なくていいと思う。ちなみにTSUTAYAなどでレンタルがある。どちらかというと任期を終えた後に見るといい映画なのでは。ちなみに舞台は二本松訓練所なので二本松訓練所の人は見ると面白いはずだ。
スポーツ、遊び、余暇の過ごし方、旅行など
- ドローンを持ってきている人は意外と少なくて、俺含めて2名だった。駒ヶ根訓練所の敷地内は、一応飛ばすことはできる。しかし近隣に民家、高速道路があるので注意。俺はグラウンド上空100mまでしか飛ばさなかった。
- 駒ヶ根訓練所では自転車が無料で借りれる。電動が2台ある。先着順。ヘルメットは必ずしないとダメ。坂が多くて速度が出るからまじで危ないので絶対ヘルメットしたほうがいい。まじで。
- 駒ヶ根訓練所周辺のレンタカーは2箇所。ガソリンスタンド併設のニコニコレンタカーがある。訓練中は車の運転はしても良いので、土日にレンタカーを借りてでかけている人もいた。(実は駒ヶ根駅前にも別のレンタカー会社があるが、値段が高すぎる)
- 誕生日の人がいると、祝ってもらっていることが多かった。パーティしたり、顔面にパイつけられたり。俺の生活班では、お酒なしのお菓子パーティとかをしていた。
- 訓練生の誕生日、先生へのお礼カード、などで装飾する機会が多いのでそういうのが好きな人は色鉛筆とかマスキングテープとかあると便利。
生活班の係、担当役割決め
訓練所の生活単位となる、生活班で決めなくてはいけない係がある。どれも面白い係だが、正直に言うと何もやらないのも一つの手だ。例えば、体育系隊員なら体育係はお勧めだが、そうじゃければ他はあまりやらない方がいい。というのも、語学が忙しかったり、他にやること、やりたいことがあるなかで係をするのは面倒だ。ここにない係やボランティアなども、訓練中には色々と面白いことが後から出てくるので見極めることが大事。俺は英語学習に時間を使いたかったので何もしたくなかったが、人数の関係上仕方なく全体日直をやった。
- 班長
生活班の班長。班長会議に出席する。連絡事項などを伝達する。悪事があったときに注意する。飲み会に積極的参加するポジション。やること多いけど、班員からは慕われる。 - 副班長
基本、班長と役割は同じ。やること多いけど、班員からは慕われる。班長とはパートナー。 - 体育委員
ほぼどの班も体育系隊員がやる。毎朝の運動指導、運動会の企画(任意)など、やることが一番多いかも。毎朝早く起きないといけない、体育のメニューを考えなくてはいけない、など。体育祭の実行委員も実質兼任になることが多そう。でも他の隊員と接する機会が多く、やりがいのある仕事。 - 図書委員
図書室の管理。本が好きならいいけど、じゃなきゃ面倒。 - 隊歌係
若い力、という青年海外協力隊の歌を広める係。積極的に歌う人。そこまで面倒ではないが、班の雰囲気によるかも。
- 生活技法委員
組織をつくって、生活技法という授業内容を訓練生自ら作る。自分たちで授業をつくる、という貴重な体験ができてやりがいはあるが、訓練前半にやることが多く、訓練所生活に慣れていない中で作業があるのできつい面もある。 - 全体日直
毎週1人。該当人数が多いのでほとんどの班員がこれになる。木曜~次の木曜日までを担当。1週間毎に入れ替わる。どの週を担当するか選ぶ。中間テストと期末テスト周辺は避けたい。なるべく早くやってしまうほうがいい。これは班で最も人数が多い係。
全体日直の係、担当役割決め
全体日直は担当した1週間、各々の係を行う。全体日直の係は全てめんどくさいし、毎日行うので、興味がなければその中でも楽なものを選ぶべき。男女の比率で選べないこともある。朝に作業がある係だと、朝6時集合なので、きつい。俺は早起きも嫌だったし、男女比率の問題で帰寮チェックになった。面倒な仕事だが、みんなできちんと行っているから訓練所生活が成り立っていることが実感できる仕事でもある。
- 朝礼司会
朝の朝礼で朝礼台に上がって司会をする。人気者になれる。みんなに顔を覚えてもらえる。リーダーっぽい役割。 - 国旗
朝に国旗掲揚をする。意外とスキルがいる。授業後の夕方に国旗を下げるので時間がとられてめんどくさい。 - 郵便、新聞
郵便物や新聞を受け取り、仕分けする。そこまで面倒ではない。 - 忘れ物チェック、風呂場点検
一番めんどくさい。寝る前に時間をとられる。男女それぞれの寮の確認、洗濯物の確認、風呂場の確認をして忘れ物があれば届ける。 - 帰寮チェック
22時に入り口で待って、名簿確認。帰ってこない人がいなければ座っているだけなので最も楽。とられる時間は10分程度。
皇太子殿下とのご接見
- 公式行事用の服装は厳格に規定されているが、微妙じゃね?って人はちらほら居た。例えば灰色のスーツや水色シャツ、茶色の革靴などは個人的にはアウトだと思う。特に注意されている様子はなかった、ほぼ全員がきちんと規定通りの服装なので、素直に従うべき。ただし、皇太子殿下とのご接見時には厳密で、注意されている人がいた。
- 皇太子殿下とのご接見時には、髪は長くてもボサボサでなければいいし、ひげも生えていても大丈夫。ただし、長さをそろえるなど、整える必要はある様子。写真はご接見のために東京に向かうバスの中。
インターネット、Wi-Fi
- 部屋によるが、Wi-Fiはそこまで悪くない。ただし、調子が悪い時もあるのでモバイルルーターを持っている人は持参すべき。特に夜、みんなが部屋でネットを使うと重いし、途切れる。語学教室の方のWi-Fiは使う人が少ないので、電波が強かった。個人的に一番良いWi-Fiだと感じたのは図書室。強いし速い。駒ヶ根訓練所のWi-Fiは意外と、閲覧規制などはなさそうで、男子向けのサイトなどでも、見れないサイトはなかった。雨の日は電波が悪い。
- 携帯の電波は十分はいる。俺はauだが、全く不便なかった。LINE通話なども問題なし。
訓練所施設
- 増築を繰り返しているので迷路みたいになっている。最初は地図を見ながら行動することをすすめる。
- 森に隣接しているのが理由か、カメムシがめっちゃいる。部屋の窓を開けているとたくさん入ってくる。においがきつい。あとは蜂、はさみ虫など。ヘビやリス、うさぎ、サルなどもいる。虫が苦手な人が困っていたが、任国に行ったらもっときつい生活環境になるので頑張って耐えよう。
- 名前順なので、あいうえお順で後半の人は建物の上の方になるので、階段がきつい。女子寮の方が食堂や講堂と離れている。
- お風呂は普通によかった。湯船の水もちょうど良い温度。ぬるい、というブログ記事をみたけど全然そんなことない。シャワーの水圧は少し弱いけど、気にならない程度。ていうか途上国行ったら真水が浴びれるだけで幸せなこと。
- 訓練所内のプリンターのドライバをインストールしないとプリンターが使えないという話だが、インストールしないでも印刷できる(マックは必要)。パソコンに詳しくない人がみんな困っていた。カラーコピーは不可。ファミマで印刷するしかない。 訓練所内で印刷する場合は紙は自己手配。全体日直室に残り紙が置いてあったり、大体だれか持っている。もしくはプリンター内に忘れている事が多いのでそれを使えばいい。
- 訓練所内の給湯器は熱湯がきちんと出るので、コーヒーやカップ麺などは自由に調理可能。
その他のTIPS
- 2週目以降、たまに抜き打ちチェックがある。館内でのID着用チェック(ネックストラップ)や、授業中に部屋の鍵をしているかどうかの抜き打ちチェックがある。
- 任国の民族衣装があると、学校交流などに参加する場合は訓練中に重宝することがある。俺の場合はミクロネシア連邦の正装はアロハシャツなので、お気に入りのアロハシャツを持って行って使った。といっても、ほとんどの国の民族衣装は普通の人だったら持っていない。一部の国の民族衣装は訓練所で借りることができる。
- 訓練中にブルキナファソでテロがあり、派遣中止になった。ブルキナファソ派遣予定の隊員たちはしばらくの間、任地未定、職種未定のまま訓練をしていた。かなりストレスになっていたと思う。その後、各自JICA側から代わりの要請を打診され、選択権なく基本的に提示されたものに派遣。さすがに学習言語が変わった人はいなかったが、内容が少し違う人はいた。職種は基本、同じものが代案になるようだ。変更後の派遣国が本来二本松訓練所だとしても、そのまま駒ヶ根訓練所に残っていた。また、訓練後半にはニカラグアが派遣中止になり、訓練を終了しても任国が決まらないという事態もあった。改めて、海外旅行や支援というのは世界平和が前提の平和産業で、自分の身を守ることの大切さを感じた。
駒ヶ根訓練所の食事
食事は美味しかった!朝はコーヒーも飲める。ただし、ご飯の感想は個人差がある様子。俺は十分満足できる量、味だった。体育隊員は足りない、と言って人からもらっていたり、食後に外出してコンビニで買い物をしていた。
食堂
ある日のご飯。朝だけおかずが二択。
カレーがおいしい!!
朝だけ飲める、コーヒーマシーン。味はまぁまぁ。
自販機は駒ヶ根訓練所内に複数ある。缶は100円、ペットボトルは130円、と安い。お菓子などを買えるスペースはないので、多くの人はアマゾンで購入したり、近くのコンビニで買っていた。
訓練所周辺の買い物、コンビニ、外出、外食、レストラン、飲み会、遊び
駒ヶ根訓練所から外出できる範囲の施設を紹介する。
駒ヶ根サービスエリア(上り)
訓練所から歩いてすぐ、駒ケ岳サービスエリア。訓練生が最も多く訪れる場所。しょっちゅう騒いでいるのでレストランのスタッフからはかなり嫌われている。ここのファミマに何度もお世話になる。JICAの将来のためにも本当にサービスエリアでの態度や過ごし方を一人ひとりが考えるべき。
ファミリーマートはファミポートあり、ATMあり、荷物発送可能(訓練所からは着払いのみ可能)。タバコは売っている。お酒は売っていない。
奥のパン屋にあるサイフォンコーヒーは美味しい。訓練所周辺では1番美味しい。
駒ヶ根サービスエリア(下り)
訓練所から遠い方のサービスエリア。あまり訓練生はいないので穴場。下りのレストランの方が誰もいないし、俺は好きだ。
下りのサービスエリアにはデイリーヤマザキがある。ファミマよりも品揃えは悪い。
デイリーヤマザキ内にパン屋がついていて、パンがとても美味しい。ファミマ側のサービスエリアにもパン屋はあるが、昼間しか空いてないし、パンの種類が少ない。
ローソン駒ヶ根赤穂店
訓練所に最も近い、酒が買える場所。訓練生の溜まり場になっている。イートインコーナーがあるが、訓練生がたまらないように閉鎖されていることが多い。訓練所からは歩いて15分くらい。
他にも自転車で行ける距離にセブンイレブンがあるが遠いし、協力隊員はあまり良く思われていないそうだ。(出禁という都市伝説があるくらい)
隊員が買うため、入所1~2週間は近所のコンビニで筆記用具(ペンやノート、紙)が品薄だった。
中華料理福麟楼 中割店
訓練所近くのピッツェリア ホリウチに訓練生はうじゃうじゃ溜まるが、意外と穴場なのが中華料理福麟楼。訓練所から歩くと30分くらいかかるが、歩いて行けないこともない。美味しい中華料理とビールが楽しめる。訓練生があまりいない。
駒ヶ根駅周辺、バス
土日はバスが来るのでそれでみんな駒ヶ根駅に行き、飲みに行ったり買い物したりしていた。バスは片道300円。おつりは出ない。小銭でしか乗れないので注意。この2018年1次隊から平日でも夜22時まで出歩けるようになったので、平日いつでも飲みに行ける。語学に余裕がある人は平日でも外に行っていた。これが駒ヶ根市民の迷惑になっていないといいが。
駒ヶ根駅前。普通のスーパーがあって、ここまで来れば買い物には困らない。
ベルシャイン
みんな大好きベルシャイン。駒ヶ根駅からすこし離れたところにある。訓練生は自転車で行くか、バスで行く。訓練所と駒ヶ根駅をつなぐバスは行きも帰りも必ずベルシャインを通る。
家電、服、100円ショップ、美容院、本屋、マクドナルド、ガスト、後楽園、ココイチ、すき家、かっぱ寿司などがある。
周辺は眺めが良い。ニシザワというのはどうやら、ベルシャインを運営している会社らしい。
マツモトキヨシ
マツモトキヨシは駒ヶ根訓練所から約3km。自転車で行ける。
亀八
訓練生御用達。ただの大騒ぎするためだけのお店。料理も酒も普通だが、とにかく騒ぐなら亀八。
訓練所からのタクシー
青年海外協力隊にとって駒ヶ根訓練所から市街へ行くには交通手段がないため、タクシーにはかなりお世話になる。タクシー会社は2社。丸八タクシーと赤穂タクシー。丸八の方が台数が多いらしい。訓練生が夜出歩く時は必ず予約しておいた方が無難。地元の人も使うので、予約でいっぱいのこともあった。タクシーが捕まらなくて門限を過ぎて怒られることもあるので、遊びに行くなら事前予約必須。
語学について
やはり一番苦労していたのはみんな語学。特に初めて習う言語の人たちは苦労していた。もし、勉強したことのない言語の要請の場合は、入所前にやっておいたほうが絶対楽だし、入所後困らない。入所後はあまり自習の時間はない。夜の時間は結局みんなと話すし、夜は早く寝ないと朝が保たない。あまりにも勉強ができないと呼び出されるし、授業初日から呼び出されている人もいた。
クラスにより内容が全然違うので、レベルや内容はバラバラ。入所後のレベル分けテストにより、クラスが決まる。先生の判断で生徒のレベルに合わせてクラスを変えてくれることも稀にある。過去には厳しい先生もいて、語学テストでダメだったら問答無用で派遣中止にしていたらしい。先生により、宿題の分量は全然違う。これはもはや運。全くない人もいれば、軽い人、たくさん出す人もいる。
俺の場合(英語、中の上くらいのクラス)は特に用意するものはノートくらいで、毎回の宿題はネット上で提出、プリントは先生が用意してくれた。JICAのオリジナルテキストがあるが、俺の先生はほぼ使わず、会話をメインとした授業が多かった。なので、電子辞書(スマホでもok)や文法などの教科書もあまり使わなかった。
英語の人はテクニカルクラスがある(他言語はほぼなし)。そのクラスではワークショップを実際に行うので、自分の要請や趣味に関する物はなにか持っているとやりやすいかも。
- ネックストラップの色で語学は別れている。青は英語、黄色はフランス語、赤はスペイン語、、、など。
- フランス語のエマニュエル先生は馬に乗って通勤している、という設定がある。
- 俺は個人的に自習は単語練習アプリのiknow!を使って勉強していた。英語学習については下記記事に記載。
【TOEIC885】なるべく無料!おすすめ英語勉強法まとめ【青年海外協力隊、JICA協力隊、オンライン学習、英語学習、JICA海外協力隊】 - Travel Kurarin
- 語学で不安や相談があったらスーパーバイザーの石田さんのところへ行ってみよう。とても親身になって相談にのってくれる。とてもよかった。ただし、クラス編成や授業内容について相談だけで、具体的な教材や文法などを教えてくれるわけではない。
- 語学のクラスリーダーはめんどくさいので、できればやらないほうがいい。メリットなし。
- 自由参加の語学交流会は英語以外は楽しそうだった。俺は英語だったが、正直あまり話すこともなく(話すことはできたが)普通だった。日曜日の自由参加も参加したが、フランス語やスペイン語の訓練生の方が楽しそうだった。それらの言語の訓練生は参加を薦める。
駒ヶ根訓練所で必要な持ち物
- 部屋に鏡がないので、置き鏡があると便利
- 懐中電灯は何に使うの?という感じだけど、あった方が便利。夜、訓練所の外にでると真っ暗なので、懐中電灯(スマホのライトでもいいけど、懐中電灯があった方が良い)がないと車にひかれたり、歩道の側溝に落ちる(実際に落ちてケガした人がいた)。と同時に、部屋に用意されている反射板のタスキも必須。恥ずかしいかもしれないが、ないと運転手側から見えなくてまじで危ない。
- ドライヤーは部屋では使えない、というルールになっているがけっこうみんな使っていた。特に女子はみんな部屋で使っていた。
- 授業中は蓋のあるタンブラーなどのみ使用可能、とあるが実際は自由で、マグカップ、紙コップ、普通の缶でも大丈夫だった(ただし先生による)
- 駒ヶ根訓練所の標高の高さもあるが、天気が良いので日差しが眩しい。サングラスはあった方がいい。俺は昼間や外に出る時はほとんどサングラスをしていた。天気の良い日に中庭でゴロゴロするのも気持ちいい。
- コップ、小さなカゴはリサイクル品でもらうことができる。 ただし、大きなものはないので、個人によって使いやすいものを使う。入所すぐになくなるので、入所日当日にすぐ取りに行こう。場所は食堂の前。
- 延長ケーブル必須。部屋にコンセントは実質5口しかないので、意外と足りない。
- 部屋の鍵を持ち歩く、キーホルダーやナスカンはあると便利。俺はネックストラップにキーホルダーでつけていた。
- 忙しいと洗濯もあまりできないので、バスタオルは3枚持ってきた。あまり気にならない人は1週間洗濯しないで過ごす。俺は頻繁には洗わないで乾かしながら使っていた。
- スピーカーは部屋での勉強に役に立つ。ブルートゥースだと便利。ANKERのものは安くて音も良い。防水で丈夫なので任地にも持っていける。
- 部屋がかなり乾燥しているので、(特に寒い時期)ハンドクリームやリップクリームは必須。加湿器は部屋に最初からあって、動くには動くが古いものなので効果は微妙。
- 突っ張り棒。服が少ない人はいいが、俺はハンガーでかけたかったので、駒ヶ根訓練所入所後にアマゾンで購入した。ちなみに部屋の壁から壁は約2m。誰もこんな突っ張り棒を買っている人はいなかったが、俺には必需品だった。
- マグネット付きのフック。部屋の扉が金属製なので、そこにつけることができる。常に携帯してなくてはいけないネームプレートや鍵をかけて、俺は忘れないように、紛失しないようにしていた。
- クリアファイル、ガムテープ、書道グッズ、囲碁、将棋、ペン、紙芝居、けん玉、封筒、軍手などは全体日直室にリサイクル品が置かれている(案内がないのでみんな知らない)もらってもよいが、数は少ないのであてにしないほうがいいかも。
- クリアファイルは必須。何枚もあった方がいい。特に、語学のプリント類と授業のプリント類が大量になる(訓練所内はスキャナーがくそなので電子化も不可)のでよく使う。
- ハンガーは持ってこなくてもよい。部屋に5個、乾燥室にたくさんあるので、俺は部屋に持ってきて使っていた。
- しかし、安っぽいハンガーしかないので、スーツ用の肩が厚いハンガーや、ズボンハンガー(クリップのやつ)、スーツ用ハンガー(スーツケースに一緒にはいっているような、ズボンを折りたたんでかけられるやつ)はない。俺は大事なシャツとかスーツがあったので、いくつかは家からきちんとしたハンガーを持っていった。
- ピンチハンガーは先輩隊員リサイクル品があると聞いていたが、なかった。乾燥室にいくつかあったが、部屋に持ってきて私物化するのは無理。数が少ない。ピンチハンガーは1個自分で買った。
駒ヶ根訓練所の設備、様子、自室、施設、部屋などの写真
自室
6畳くらいかな。机とか棚は備え付けである。1枚目写真左奥が小さいクローゼットになっている。ベッドは固めで腰が悪い俺には安心。暖房はヒーターがついてる。窓からは女子寮(2号館)が丸見え。部屋に収納はまぁまぁ。俺は服が多かったので全然入らなかった。後日、突っ張り棒を購入した。
入所当初の自室。この写真に写ってる設備は元々備え付け。
その後、飲み物を箱で買ったり(毎日自動販売機やコンビニで買うのが面倒くさい、お金がかかる)、任地の先輩に聞いて必要なものを買い足したりしていって、どんどん部屋の物が多くなってきた。訓練所内で最も物が多い、と言われた。
最終的に、突っ張り棒などが追加され、こんな感じになった。実際、服はこんなにいらない。
食堂。1次隊は208人いたので、いつも長蛇の列。早く行くことをすすめる。友達をたくさん作りたいなら、あえて遅れていって、1個だけ空いている席に座るのも良い。
ロビーには各国の民族以上やパンフレットなど、展示がされている。
訓練所前の道。毎朝走った。
中庭。写真中央の建物角に室内喫煙所がある。卒業式の頃には緑でいっぱいに。
森のステージ。
舞台の背景がガラスになっていて、とても綺麗。はやく新緑にならないかな。
体育館。空いていれば使える。予約も可能。大体毎日、なにかやってた。意外とフットサルは少なくてバレーとバスケが多かった。床は悪くて、ツルツル。
男子寮の裏側。晴れているとこの芝生広場がとても気持ちよかった。
駐車場。ここで朝の運動をする。
グラウンド。あいていれば勝手に使ってよい。土のグラウンド。
テニスコートもある。
グラウンドから2号館に向かう途中。右側、女子の部屋が丸見えなのでビビる。
外出用に自転車が借りられる。2台だけ電動自転車があるので、先着。坂が多いのでできるだけ電動自転車を使いたい。
全体日直室。ここに文房具などが揃っているので、使うことができる。
男子の洗濯物エリア。標高が高く、空気が乾いているので洗濯物は速攻乾く 。
風呂場の前の休憩スペース。
お風呂場周辺。牛乳瓶が売っていたのは嬉しかった。(90円)
風呂場。浴槽に入れるのは17時以降のみ。脱衣所。
毎日大きなお風呂に入れるのは幸せだった。でも、飲み会後とかはうるさいし、湯船でふざける人も多くて、そういうのが嫌な人は体育館横のシャワー室を使っていた。ほとんど共有風呂場を使わず、シャワー室で済ましている訓練生もいた。
連絡掲示板。なにか集まりとかお菓子パーティがあったら恥ずかしがらず行ったほうがいい。絶対おもしろい。他には、サッカーしますとかバンドやりたいとか書いてあった。
森のステージ向かいにある喫煙所。こちらはロビーとは違い、屋外。風が気持ちいい。俺はこっちのほうが好きだった。
図書室。映画、CD、テキスト、ガイドブックなどなど、ありとあらゆる資料があって、すごく面白かった。主に、語学、過去隊員の報告書(PCで閲覧)、国別資料、職種別資料、過去隊員のアルバム、協力隊会報誌があった。報告書はデータでは持ち出すことが出来ない。色々と方法を試してみたけれど、さすがにセキュリティがしっかりしていて、無理だった。この場で印刷して、それをスキャンするしかデータ化方法はない。
英語の教室。俺はブライアン先生。宿題提出のために教室は24時間空いている(盗難とか大丈夫なのか)ここで自習している人もいた。
恋愛(駒ヶ根マジック、二本松イリュージョン)
青年海外協力隊の訓練中に恋愛に発展することを駒ヶ根訓練所では「駒ヶ根マジック」、二本松訓練所では「二本松イリュージョン」と呼ばれる。結論から言うと、これらは実際にある。
年頃の男女が2ヶ月監禁され、けっこうきつい訓練を受けるうえに国際貢献という共通の目的を持った人が多い。となると気の合う人もいるもの。訓練中は授業やオリエン、班生活、体育祭などのイベント、飲み会、など仲良くなる機会がたくさんある。密度も濃いので気があえば仲良くなる。同性でも異性でも、信頼できる頼りになる人が訓練所で見つかることは良いことだ。訓練中だって助け合ったり、励まし合ったりできるし、なにより派遣後の方がつらいことが多い。国が近ければ会いに行けるし、遠くても今はネットでいくらでも電話できる。そして、それがやっぱりすごく元気になるのだ。
年の差がある2人が付き合ったり、訓練中に付き合ったけどすぐ別れたり、セクハラまがいのことをして派遣中止になった人がいたり、周囲には全くわからず実は付き合ってる人がいたり、訓練終了後に付き合う人がいたり、色々ある。
訓練の折返しくらいからそういう人が出てきて、終盤には公認になってるという感じ。任国が離れていて、悩んでいる人もいたなぁ。あとは、隊次の雰囲気にかなり左右される。友人の隊次では、カップルが乱立しすぎて男女の部屋の行き来が問題になったらしい。その隊次では男女のいざこざで数名が派遣中止になったそうだ。逆に、別の友人の隊次ではそういった雰囲気が全くなく、ほとんどそういう噂を聞かなかったということもある。いずれにせよ男女問わず、派遣後も気軽に連絡ができて素直になれる友人を見つけておいたほうがきっと良い。
駒ヶ根マジック、二本松イリュージョンを起こしたいのであれば素直に普通に真面目に過ごして、仲間を大事にしているだけでいいと思う。あとは少しの積極性かな?ただし、訓練所内での過ごし方は常識で考えて、訓練生活のルールを配慮すること。「~~して派遣中止になった」という話はいくらでもあるし、勤務が長い職員に聞くと信じられない話も出てくる。土日であれば外泊もできるし、平日でもタクシーをつかえば2人でどこかに行くこともできる。羽目を外して派遣中止にならないように楽しみましょう。
ちなみに、個人的な主観だけど「駒ヶ根マジック起こしたいです」とか「こんな三十路と付き合ってくれる人募集!」とか言う痛い人には誰も寄ってこない気がする。実際にそういうことを言うすごく痛い人がいるのもびっくりしたが。
派遣中止
ついでに、派遣中止について。実際に派遣中止になる人はいる。大きく分けて3つに分けられる。
- 問題を起こした
- 体力的、精神的な問題
- 自分の意思
これらは派遣後の任国でも同じ。派遣後に任期を短縮して帰ることを略して任短(にんたん)と呼ぶ。ちなみに妊娠すると強制短縮になり、それを妊任短(にんにんたん)を呼ぶ。
1)問題を起こす
遅刻が多い、職員に突っかかる、ルールが守れない、提出物が守れない、訓練所外で住民などと揉める、セクハラ、パワハラ、訓練所の風紀を乱すなど、まぁいわゆる問題児の場合はけっこう簡単に派遣中止になる。俺の隊次でも危ない人はいた。あと酒癖が悪い人は厳密なルールが守れずに危ない人がいたなぁ。あとはシニアボランティアでも同様で、問題発言やセクハラで派遣中止になった人もいる。珍しいケースだと訓練所内での言動が派遣国の支所に伝わって、訓練終了後に支所の判断で訓練所の言動が原因で派遣中止になった人もいる。
2)健康面、体力的、精神的な問題
健康診断に引っかかり、条件付き合格でその条件が満たせなかった人、訓練のスケジュールについてこれず、体力的に派遣が難しくなった人、訓練中に病気になった人、訓練中に骨折やアキレス腱断裂をした人、青年海外協力隊という組織に嫌気がさして文句を言う人、生活が合わないと言って自ら辞める人などなど。仕方ない理由もあればしょーもない理由もある。これは防ぎようがないものもあれば、本人の根本的な問題でどうしようもないものもある。派遣後にも偶然事件に巻き込まれてそれがトラウマになって活動ができなくなって任短、という悲しいケースもある。
3)自分の意志
これは色々な理由があるが、下記のような理由を聞いたことがある。
- 新しい転職先が見つかった
- 彼女が妊娠した
- 結婚する
- 自分に青年海外協力隊は合わない
派遣された後にも色々あるが、マイナスなことではなくプラスのことで任短するケースも稀にあるようだ。活動が順調で、ある程度やりきったので任短したり、治安や汚職などもうどうにもならない要因が大きくて活動ができないので任短したり、次のステップのための任短もありえる。
運転免許証更新
青年海外協力隊派遣前訓練とは関係ないが、運転免許証の更新はしておいたほうが良い。派遣される2年間は運転免許証はほぼ使わないが、更新してから行っておいた方が2年後楽。聞いた話だが、更新切れで手続きがめんどくさくなったり、執行扱いで手間がかかることもあるらしい。
青年海外協力隊 免許証の更新 【海外転出、期日前更新、事前更新】 - Travel Kurarin
青年海外協力隊の派遣時の荷物
派遣に際した荷物リストも作ってみた。派遣がすぐの人は訓練中から荷物のことを考える必要がある。参考までにどうぞ。
青年海外協力隊の派遣時の荷物!居る物、要らない物まとめ【JICA海外協力隊 、赴任時、持ち物、必需品】 - Travel Kurarin
青年海外協力隊の受験、面接対策について
書類~面接まで、完全攻略を目指した記事はこちら。
kurakurakurarin.hatenablog.com
駒ヶ根訓練所での生活詳細(日記)
毎日、簡単につけた日記は下記リンクからどうぞ。あまり細かい詳細は書いていないが訓練の様子はわかるかと。訓練の細かい情報はこのまとめ記事にまとめています。
駒ヶ根訓練所 1週目【JOCV、青年海外協力隊、JICA】 - Travel Kurarin
駒ヶ根訓練所 2週目【JOCV、青年海外協力隊、JICA】 - Travel Kurarin
駒ヶ根訓練所 3週目【JOCV、青年海外協力隊、JICA】 - Travel Kurarin
駒ヶ根訓練所 4週目【JOCV、青年海外協力隊、JICA】 - Travel Kurarin
駒ヶ根訓練所 5週目【JOCV、青年海外協力隊、JICA】 - Travel Kurarin
駒ヶ根訓練所 6週目【JOCV、青年海外協力隊、JICA】 - Travel Kurarin
駒ヶ根訓練所 7週目【JOCV、青年海外協力隊、JICA】 - Travel Kurarin
駒ヶ根訓練所 8週目【JOCV、青年海外協力隊、JICA】 - Travel Kurarin
駒ヶ根訓練所 9週目【JOCV、青年海外協力隊、JICA】 - Travel Kurarin
駒ヶ根訓練所 10週目【JOCV、青年海外協力隊、JICA】 - Travel Kurarin
駒ヶ根訓練所 11週目【JOCV、青年海外協力隊、JICA】 - Travel Kurarin
自主講座(旅テクニック)
訓練生自らが講師となって自主的に授業を行うことができる。それを自主講座と呼ぶ。俺の隊次では環境、音楽、美術、衛生、日本語、先生関係、ブログ書き方などの自主講座が行われていた。
もし、なにかしてみたいと思う人はやると面白い。参加者からお礼を言われると楽しい。準備は面倒だが、本当に参加者にとって有益な場合は、すごく感謝してもらえる。
俺は4月の後半という訓練中の早い段階で旅テクニックの自主講座を行った。1人でやったわりに125人くらい参加してくれて、びっくり。JOCAスタッフは過去最大級と賞賛してくれた。
訓練終了後にも、この自主講座の内容を参考にしてくれる人も多かったので、すごくやってよかったと思っている。自主講座の内容は下記からどうぞ。旅テクニックについて詳しくまとめています。
旅テクニック まとめ【駒ヶ根訓練所 自主講座内容】 - Travel Kurarin